穴加工の不良とその原因、対策を僕なりの考えですが紹介します。
思い出した内容や最近失敗したことがあれば、追加していきます。
参考にしてもらえれば、幸いです。
キリ穴の不良
ケース | 不良の内容 | 不良の原因 | 不良の対策 |
1 | Φ10キリの穴がΦ10.5になる | キリの振れの発生 | もみつけを大きくする |
2 | Φ100穴径が大きくなる | 荒加工で、ラジアスミルで穴を加工時、負荷が大きく品物が動く | ラフィングエンドミルで少しづつ穴を大きくした |
3 | 止まり穴が貫通した 底面が膨らむ |
キリの先端深さを理解せず、貫通させてしまった。
似たプログラムを流用 |
工具経路チェックで深さを要確認 |
4 | 面に段差ある座ぐりの深さを間違える | 上面(Z0)と一段下がった面(Z-5)に同じ径の座ぐりがあり、両方共に上面(Z0)からの深さであった。 | 図面に座ぐり深さが違う事を書き込み、プログラム作成をする |
5 | 斜面でキリ穴が曲がり大きくなる | 下穴はあいていて、キリで大きくしたが、上面が斜面でキリが曲がって入っていった | 斜面の場合、エンドミルを使用。 |
H7穴の不良
ケース | 不良の内容 | 不良の原因 | 不良の対策 |
1 | 底面3ミリが公差外れ | リーマーの先端遊び部分を考慮しなかった | ブローチなら、3ミリ、マシンリーマーなら10ミリほど深く入れる |
2 | H7メッキ後公差外れ | メッキの、のり具合が大きかった | 穴公差の最大に加工
メッキ後にボール盤でリーマーを通す |
3 | H7公差外れ | チャック、バイスでの締め付けが強く楕円になり、一部、公差が大きくなる | 仕上げ前は、バイスを弱く締める |
4 | ボーリング加工で線が付く | ボーリング加工時に上がる時、Y0.1の逃げる方向が品物に当たり、上に上がっていった為 | M19のオリエントをしてみて、刃物の向きをチェックしてみる。 |
5 | 仕上げエンドミルで大きくなり公差外れ | 仕上げエンドミルで残り0.1にして仕上げた所、なぜか0.12削り過ぎた。 | 0.1残しから0.05残しにしてから仕上げるようにしました。 |
6 | 仕上げエンドミルで大きくなる | エンドミルチャックにゴミが付いていて取り付けた為、エンドミルが振れていて径が大きくなった | エンドミルを取り付ける時は、パーツクリーナーで掃除してエアーでキリコを除去する |
タップの不良
ケース | 不良の内容 | 不良の原因 | 不良の対策 |
1 | メートル並目ネジを細目ネジで加工 | タップ交換時にピッチを確認しなかった | 交換時の確認。
特殊工具の管理を識別しておく |
2 | M5タップ折れ | タップ加工時に、タップが品物から抜ける時、ワークも一緒に上がってしまい折れた。 折れた箇所は薄く長い板での中央部分だった |
4隅の角を4ヵ所、締めていたのを中央2か所を増やして、6ヵ所、締める事により、品物の浮き上がりを防止した。 |
3 | タップ下穴選定ミス | M5下穴を5であけてしまった。 | 再度、下穴をチェック |
4 | タップ折れ | 表から穴のみをあけて、タップを裏から加工したら折れた。 | ポイントタップを使用 |
5 | M2タップ折れ | 古いタップを使用した。 | 新品タップを使用 下穴を最大にする タップペーストを品物とタップ自体にも塗る。 口元をポイントタップを使用後、スパイラルタップを使う。 SUS用のタップを使用 |
6 | M3タップ折れ | バイスで加工時。貫通時に平行台に干渉し折れた | 平行台を厚みが薄いのに変更。 |
7 | メッキ後にタップが入らない | メッキ後、タップ穴が小さくなる | 下穴を最大にしておく。
タップをさらい直し |
8 | 管用タップを深く入れ過ぎた(PT1/4) | ショートとロングがありショートのタップでロングの深さまで入れてしまった為、ゲージの切り欠き以上の深さになってしまった。 | ショートの深さにプログラムをしておき、加工後、ゲージでチェックし、残りは手でさらうようにした。 |
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