アルミの種類
アルミは主にA5052とA6061が有名な材料です。
- A5052が安価で削りやすい柔らかい材料です。
- A6061はA5052より少し高い値段ですが、硬さがあります。
アルミの切削条件
マシニングなどでは、A5052、A6061であれ、柔らかい材料なので、快削材です。
回転数と送り
加工条件も鉄の2倍以上で加工するのがいいですね。
カタログ値の7割くらいで加工するといいです。
面粗度
アルミは、ゆっくり加工してしまうと、むしれたような跡が残ってしまうので、超硬やダイヤモンドチップで高速回転して加工するとキレイに仕上がります。荒工具はハイスや超硬を使用して、0.1残しを仕上げにダイヤモンドでやります。新しいダイヤモンドチップであれば、鏡面化が見られます。工具の材質は、「ハイス<超硬<ダイヤモンド」とダイヤモンドが一番いいですね。
ダイヤモンドチップは加工条件も上げられていいのですが、値段が高いので、1枚のみで6000円くらいします。チップ先端が少し黒くなっていて、ダイヤモンド部分はわずかな部分です。
段取り
アルミはキズになりやすく、どのタイミングでキズが入ったか分かりませんので慎重に扱う必要があります。
取引先の会社によっては、キズがあると、不良報告書や始末書をかかされる事があります。
段取り以外の全てにおいて直接、金属に触れる事は避けます。それを以下に解説していきます。
材料の置く所
最初の時点で材料を机に置く時など、全ての作業において、ウエスや新聞を下に敷いて材料を置きます。材料に保護テープが張ってある時でも、同じです。
ウエス、新聞には、キリコが付いてないように払っておきましょう。
クランプ前
材料をクランプする時は、接する所全てにマスキングテープを貼り付けて保護します。
バイスであれば口金の当たる高さ分、平行台に接する部分。
クランプであれば締め板が接する所と、下の受けのブロックですね。
さらに、締め板は、薄いアルミ板か銅板を間に挟みます。その板も砥石でキレイにしてから挟みます。締め板とマスキングテープの間に、サンドイッチ状態で挟みます。
巻いてあるテープの側面にゴミやキリコが付くので、それも注意です。付いていたら取り除いておきましょう。
以下に似た記事を書いてました。
クランプ固定
バイスであれば、油圧を使わず手の力だけで締めます。荒加工で負荷が大きい時は、油圧をきかせますが油圧を効いたら時点で止めます。ワークが大きい時は、バイス2~3個で締めます。
必要最小限の力で締めないと、ワークがクランプ力でキズになるからです。
ハンマーでワーク上面を叩く時は直せず叩かず、ウエスを間に入れて軽く叩きます。
締め板も、強く締め過ぎずに、ほどほどに締めます。動いてしまう心配があればクランプ箇所を増やします。
加工後
加工終了後、エアーでキリコを払います。バイスであれば、浮かせている下の方もエアーでキリコを払います。
ワークを取り外す際、治具やバイスに当たると、キズになるので、そっと、ゆっくりと持ち上げます。
ワークを宙に浮かせた状態で全面をエアーブローしてキリコを飛ばします。特に裏面。
裏面は、ウエスで拭き取ります。
裏面にキリコがなくなったら、ウエスを敷いた机の上に置きます。
アルミのキズで思う事
僕もアルミのキズで苦労したのですが、まず6F素材の時点でキズがある時があります。それは、材料屋さんの加工者だったり、梱包時か分かりませんが、素材確認もしておくといいですね。バイスの加えた後で多数個ある時は、同じ所に線状のキズがあります。素材屋にマスキングテープを貼り付けて加工をお願いするしかないです。ただし、作業の負荷が高くなるので値上がりはあるかもしれませんね。
キズにうるさい取引先とは、お客にしない事が一番ですが、現場の加工者は、そういった取引先の部品を加工させられる事が多いですね、特に新人が。年配の先輩は、楽な仕事をする事が多い。
キズになってしまったら、営業さんに確認を取ってもらうとか、一面を0.03ほど削るとかになりますね。無駄な作業になりますが。
結局の所、キズがあっても組み立てや機構的には問題ないのです。本当に必要なら研磨するので。
検査員がいる会社は、そういったキズにはうるさいですね。
コメント