エンドミルの種類や使い方を紹介!

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エンドミルの種類と違い

大きく以下の5項目について分けてみました。

  1. 刃の材質
  2. 刃数の違い
  3. 有効長さ
  4. 刃先形状
  5. ねじれ角度
  6. コーティング

1.刃の材質

刃の材質の違い

  1. ソリッドエンドミル
  2. ロウ付けエンドミル
  3. チップ式
  4. ヘッド交換式

説明

  1. ソリッドエンドミルとは、刃部とシャンク部が共に同じ金属から出来ています。丸棒から作り出していきます。
  2. ロウ付けエンドミルとは、刃部のみ、別の金属を付けています。ロウソクを付けるイメージですね。下の写真参照。
  3. チップ式とは、先端をチップで交換するので、経済的に使い回せるのが特徴です。刃の取り付け方次第で、0.03くらいのズレが出るので、仕上げよりは、中引きに向いています。

  4. ヘッド交換は、シャンク部にタップ穴があり、ヘッド部はネジがあり刃全体を交換します。
    イメージしにくいのでOSGのヘッド交換式エンドミルを載せておきます。

 

2.刃数の違い

刃数の違いにようる使い分け

  1. 2枚刃:溝加工
  2. 3枚刃:仕上げ時の取り代が多い時。深い加工。防振
  3. 4枚刃:仕上げ
  4. 多数刃:面粗度がある。防振。硬い材料時

説明

  1. 2枚刃であるとポケット部分の隙間が大きくなり、キリコが逃げやすくなります。溝入れの時は側面加工と違って上面しかキリコが逃げる所がないので、エンドミルのポケットにキリコを入れて上面へキリコを排出する事が、いいです。キリコがつまると、エンドミルの破損、ワークの傷、面粗度の悪さにつながります。

  1. 3枚刃の特徴は防振。偶数刃数は共振しやすいのに対し、奇数刃は共振しにくいのがあります。その為、キレイな面に仕上げたい時、深い所の仕上げに向いているかと思います。
  2. 4枚刃は仕上げに向いています。ただし、偶数刃なので、共振しやすいので不等ピッチの刃であると共振を抑えられます。不等ピッチは、例えば4枚刃であれば90度つづ刃が付いている訳ではなく若干、ずらす事で共振を抑える効果があります。
  3. 多数刃で5枚以上になると、エンドミルのポケット部分が少ない為、0.1残しなどで仕上げする事に向いています。

3.有効長さ

有効長さ

  1. ショート:有効長さが短い
  2. ロング:長いエンドミル
  3. 首逃がし刃:径が大きく、シャンクは径より小さい

僕の感覚なのですが、標準有効長さが、径の2倍。ショートタイプは、径の1.5倍以下、ロングは3倍以上。

それなので、深い所を加工する時は、径を大きくすると、有効長さが足りる事が多いです。

首にがり刃は、僕なりに名前を付けたエンドミル。上図参照。有効長部分の刃の径がシャンクより大きい為、深い所の加工が可能になります。シャンク部がワークに当たらないって事ですね。このエンドミルは、仕上げに限りますね。下の図のようなエンドミルだと、シャンク部下があたってしまいますよね。

4.刃先形状

刃先の違い

  1. スクエア:ピン角
  2. 先端R付き:ノーズR
  3. ボールエンド:半円形状
  4. テーパーエンドミル:斜めのエンドミル

説明

  1. スクエアとは英語で四角という意味なので先端角部がピン角になっている事をいいます。
  2. 先端R付きは、別名ノーズRといい、R0.8、R1.2、などあります。刃先にRを付ける事で切削抵抗を減らす効果があります。
  3. ボールエンドは先端ヘッド部が半円になっている。

  4. テーパーエンドミルは、有効長自体が、30度などの斜めのエンドミルになっています。

余談として角部をC1付エンドミルを研磨屋に研磨してもらった事があります。

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5.ねじれ角

ねじれ角度の違い。30°・45°・50°と種類がたくさんあります

  • 0度:直刃
  • 30度、45度:標準ねじれ
  • 50度以上:強いねじれ

直刃は、そのままストレート刃でありハンドリーマーのような形状ですね。使った事はありません。

30度の標準的なねじれに対してねじれ角度が大きくなるほど、工具寿命が長くなる反面、切削抵抗が大きくなります。対策としては、仕上げ時に使用して取り代を少なくしておくのと、大きなミーリングチャックで強くガッチリと締めておくことかと思います。

6.コーティングの有無

コーティングする事で、工具寿命が延びます。どれくらい工具寿命が延びるかは、ちょっと答えにくいのですが、量産品を終えた後、エンドミルを見ると刃のコーティングが剥げていますね。

使い方

エンドミルの使い方として主に2つ。

  1. 面粗度別の仕上げ
  2. 深さに合わせる
  3. 形状に合わせた使い分け

面粗度別

  • 面粗度に応じたエンドミルで主に3つに分けられます。
    • 荒引き用:ラフィングエンドミルなど。
    • 中引き用:チップ式、ラジアスミルなど。
    • 仕上げ用:スクエアエンドミルなど

深さに合わせる

浅い面や側面であれば短いエンドミルを使います。

深い側面や穴であれば、ロングのエンドミルか、首が逃げているエンドミルで突きだしを長くつかんで使用します。ミスミのエンドミルは首元を削って逃げを作ってくれるオプションがあります。

形状に合わせる

  • コーナーR付であれば、そのRにあったエンドミルを使います。
  • ワークの角度付きであれば、テーパーエンドミルを使います。
  • インペラやプロペラの羽のような3Dの立体的な局面形状はCAMでプログラム作成してボールエンドを使います。ボールエンドを使うと滑らかな局面に仕上がりやすいからです。

本の紹介

エンドミルの選び方・使い方


目で見てわかるエンドミルの選び方・使い方 (Visual Books)

目利きが教える エンドミル使いこなしの基本


目利きが教える エンドミル使いこなしの基本

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