加工手順と加工順序とは
自分の中で考える加工手順と加工順序を説明します。
- 加工手順とは、加工に至るまでの全体的な一連の流れ。おおよそ次の流れです。
- 加工順序とは、材料を形状にする攻め方であり加工手順の中の一つだと考えます。
加工手順
- 加工順序を決める。
- プログラム作成。
- 工具を用意
- 段取り
- 加工
- 検査
- (手順書作成)
加工順序を決める
加工の攻め方を決めます。構想を立てるとでもいいましょうか、おおよそ以下の内容です。
- 何工程やるか、
- 工具は何を使うか、
- 段取りはバイスかテーブルか治具か、
- 原点はどこか、
必要工具が無ければ、早めに注文しておかなければなりません。メーカーに在庫が無い時や特殊な工具は発注してから数か月かかる事もあります。
プログラム作成
攻め方が決まれば、プログラムを作成します。
最初の段階でプログラムを作成するのは、作って置いておけるからです。
段取り中に、割り込み部品が入ってくる事が多い業種なので、先に工具の用意や段取りをしてしまうと、それらを崩さなければならないからです。特に大きなワークであれば、段取りに時間がかかるので、最後に段取りはした方がいいですね。
その点、プログラムは、作っておけば、攻め方に変更が無い限り、変わらず置いておけます。
プログラムでGコードであれば、最後と最後の2行、合わせて4行は同じなので、ひな形を作っておいて、コピー貼り付けで作っていくと時間短縮になります。
プログラムの作成方法についてはコチラの記事を参考にして下さい。
工具を用意
次に工具を用意します。
工具リストがあれば、それに沿って工具を揃えます。
突き出し長さ、摩耗工具を新品に交換、タップのピッチなどに注意します。
ツールNo,ポケットNoを記載し、工具長、工具径を測定しマガジンポケットに入れていきます。
T-No | P-No | 工具 | 径 | 呼び記号 | 突き出し長さ |
1 | 1 | もみつけ | φ6 | A | 30↑ |
2 | 2 | ドリル | φ8.7 | A | 30↑ |
3 | 3 | 面取り | φ14 | A | 40↑ |
4 | 4 | タップ | M8 | A | 30↑ |
5 | 5 | エンドミル荒 | φ10 | R | 30 |
6 | 6 | エンドミル仕上 | φ9.98 | F | 30 |
工具リスト表は、T-NoとP-Noは書き込まずに、コピーを取って置いて、次回、書き込めるように原紙を作って置くと、次やる時、便利です。
段取り
バイスやテーブル、治具などにワークを取り付けます。
工具が干渉しないように、位置に注意します。
原点位置や工具、平行台の高さ、ワークがバイスから何ミリ出るかを記録しておくと次やる時、考えずに済みます。
加工
タッチセンサーで原点入力し、原点が間違っていないか、最初にもみつけドリルで原点に持ってきて、Z5くらいで止めて合っているか確認してみます。
シングルブロックを入れて、干渉に注意して加工音を聞いたりして条件を探っていきます。
検査
加工完了後、測定します。ノギス、マイクロなどで、図面と同じ寸法になっているか、をワークを外さずに測定します。ワークを外して測定すると、修正したい箇所が出てきたら、再度、同じ段取りで再現しなければならないからです。
機上測定でしか測れないのは、ワークを外さずに、ピックを主軸に付けて測定していきます。(ピッチとか長さ)
検査は、ピッチや径の測定ですが、図面が複雑で見にくい時は、サンプル品を用意しておいて、同じ寸法仕上がりになっているか、比べて測定すると、図面を見ずに検査が出来ます。
手順書作成
加工が完了したら、手順書を作成して次回に備えます。
加工中に変更した点、変更した方がいい点を図面に記入しておきましょう。
図面と共に手順書はファイルして製番の若い順にしておきます。
加工順序
何工程かかるか、工具は何を使用するかを組み立てます。
基本的に、加工方法は最初に荒加工をして最後に仕上げをするように組み立てます。
一工程目に荒加工をして形状を作成します。荒加工で曲がり、歪が大きく出る場合は、歪が出た分、取り代を0.5くらい付けて置いて、クランプを少しだけゆるめて仕上げます。
後工程でバイスでつかみにくくなる場合、クランプしにくくなる場合は、そこだけは後工程にします。
工数を少なくする事を目標にします。
例えば6工程かかっていたのを5工程にしたら1工程減りますよね。その分、段取り時間が減らせます。
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