径補正について
基本的にツールプリセッタでエンドミルやチップ式ショルダーカッターなど投影させて径を見たりノギスで測って径を入力しますが、微調整したい時があります。
それは工具径が、若干、違ったり、公差に入れる為に適正な値を入れる必要があるからです。
エンドミルは径で約-0.02していますし、チップ式のラジアスミルでも約-0.2ほどしています。(チップの取り付けで変わったりします)
その場合、増分値に-0.02とか入力し、元の値から、その値が引かれた数字になっているか確認します。直接、計算値をダイレクトに入れても問題ありません。径を小さく入力したい時はマイナス、大きく入力したい時はプラスですね。
径補正とは、その径の大きさを微調整する事です。
工具長補正について
工具長も径補正と同様に、若干、長さが違います。ツールプリセッタで見て、機械内で測定してみると0.1くらい違っている事があります。機内の測定は、工具長測定器が付いていたりツールアイやベースマスターで測定します。カトーのタッパーだと、バネが効いて、工具長が少し変わりますね。
補正は、工具長が短くしたい時は、マイナスを増分させます、そうすると、増分値分、ワークが深く削れます。逆に長くしたい時はプラスで増分値を入れます。そうすると工具が増分値分、逃げて浅く削れます。
径も長も削れる方向が-、逃げる方向が+って覚えればいいですね。
例題
問題
φ20H7(+0.021/0)深さ15+0.1/0 をエンドミルで仕上げてみます。
狙い値はφ20.01、深さ15.05です。工具径はA、工具長はBとします。
荒加工が終わり、中引きエンドミルは仕上げエンドミルと同じのを使用します。
*プログラムで中引きの時点で径も深さもで0.1残しにして加工後、
実測した所、径が19.92、深さが14.93でした。
仕上げ補正値は工具長、工具径はいくつにすればいいですか?*中引きプログラムは径19.91、深さ14.95
*仕上げプログラムは径20.01、深さ15.05 とする。
中引きで0.1残しで、もし、そのまま仕上げた場合、径は20.02、深さは15.03になります。
一応、公差内に入っていますが、中央の狙い値の補正を入れてみます。
回答
径の狙い値は20.01で20.02だと削れ過ぎてしまうので、径で0.01逃がすようにしたいので、径補正を+0.01させてA+0.01 になります。
深さの狙い値は15.05に対して15.03になると、あと0.02削れてないので、-0.02増分させます。
つまりB-0.02になります。
まあ、実際は、中引きを2回行って、安定した寸法から、補正値を入れるのが確実ですね。
またはヘリカル切削で0.1残しとかにする。
ファナック系の機械制御では半径値なので、径にしたら2倍になりますのでご注意を。
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