ステンレス加工について
ステンレスは粘っこい性質な為、加工しにくい難削材です。
ただ、手順をキチンと踏まえて加工すれば出来ます。
ステンレスは大まかに言ってSUS303、SUS304があり、304の方が硬いです。
加工後は、錆びないので、さび止めをする必要はないです。
サスは、磁石につかないのとつくのがあります。
穴あけ
ハイスドリル
ドリルで穴あけをする時は、個人的な感覚で言えばφ20くらいまでならハイスのドリルを使うといいです。下穴をあけずに一回であける事が出来ます。下穴をあけると次のドリルが肩で削るようになり、音も悪いので、逆に良くない気がしています。
周速は10m、送りは径によって変わりますが、φ10なら0.1くらいにしています。φ20なら0.2くらいです。
切れ味が大事なので、切れなくなると、切削音が悪くなり、熱を持ち、加工硬化が起きてすぐにドリルがダメになります。また貫通穴であれば、抜けずに、切りクズが伸びます。その為、量産では、10個に一回ドリル研磨するとか、新品と交換するとかしなければなりません。
ステップ加工はせず、一定の送りで加工します。ステップすると変則的になり熱を持ちやすいからです。キリコが絡まりますが、加工後に、キリコを取り除いてあげます。
少量であれば、ハイスドリルで済ませましょう。超硬工具は値段が高いので。
超硬ドリル
量産の時は超硬ドリルを使用した方が早く効率的です。
ただし、チップ管理をしておかなければ、先端工具が焼けてしまい、本体までがダメになってしまいます。例えば100個やったら交換と決めておきましょう。交換の時期は加工音や仕上がり面が悪いとかで判断します。
φ40くらいまでなら超硬ドリルを使ってました。周速は40~60くらいかなと思います。
熱が一番の厄介な原因なので、熱を持たないようにセンタースルーがある工具と機械で加工を行うといいです。センタースルーがあれば、ステップしてもいいと個人的には思っています。
工具径も大きい方が剛性が高いですが値段が高いですね。
メーカーはケナメタルがSUS加工には良い工具と聞きます。実際に使った事がないのですが。
個人的には、タンガロイがいいと思います。
エンドミル、ラジアスミル
エンドミルやラジアスミルでなら径はいくらでも大きく変えられます。
下穴をドリルであけてから加工しましょう。
加工は、真円加工を使わず、ヘリカル切削で回りながらZを下げていきましょう。
ラフィングエンドミルなら先端からダメになるので、深さを2ミリほど深く入れておきます。
ラジアスミルならチップがダメになればチップ交換すればいいだけです。交換時期は、音で判断します。
ラジアスミルのチップは厚みがある方がいいと思っています。厚みがないと、チップが欠けたとき、本体工具までダメになってしまいます。個人的には、タンガロイのドゥーフィードを使っています。
仕上げのエンドミルは、0.2残しで、回ります。
ラジアスは周速70mくらい、ラフィングエンドミルは20m、仕上げエンドミルは25mくらいかと思います。
面取り
サスの面取りは、手では硬くてやりにくいので、機械でやってしまいましょう。
数が多くて、表面だけの工程で終わるのであれば出来れば裏面取りもします。
反転して裏も加工するのであれば、その時、面取りしちゃいます。
周速は超硬チップであれば20mくらいかと思います。
コメント