バイスのワーク固定方法は、平行台(パラレルブロック)に対して平行に置ける方法を解説します。
平行台にワークが密着して、平行台が手で押して動かない状態ですね。
また材料は四角とします。
平行台の選定
バイス口金上面からワークが少し出るように置きます。
バイスで出来るだけワークをつかむ面積を多くしたいので、ワークが口金上面から出る高さは2~5ミリくらいにします。
それを逆算して、平行台の高さを選定します。
例えば、口金高さ50㎜、ワーク30㎜だとした時の平行台を考えます。
平行台なしでワークを置くと、(50-30=20)で20㎜低い位置になるので、20㎜以上の平行台でなければなりません。そうなると25㎜の平行台が妥当かと思います。
ワークを口金上面より少し出す理由は、プラスチックハンマーで叩いた時、ワークに当てる為です。
口金を開く
ワークの大きさより少し(2~5㎜ほど)大きく口金を広げます。
サシやメジャーを片手で口金固定側に当てながら、バイスハンドルを回して広げます。
キリコ掃除
バイスとワークと平行台の3つに、キリコが付いていては、セットした時に平行が出ません。
その為、この3つは、最初、ウエスで拭くか素手で拭きます。
素手で拭く時は、ワークにバリがあると手がケガするので、バリは取ります。
平行台を置く
掃除完了したら、平行台を2つ置きます。(固定側と可動側)
平行台の端、口金外側を手で押してみてガタガタしないか確認します。手で押す端2か所は、平行台端を押してしまうと平行台が倒れてしまうので、バイスの口金の範囲内で押します。
ガタガタしてしまうと、キリコやゴミを挟んでいる可能性があるので、再度、掃除をします。
平行の精度が絶対必要な時は、さらに平行台をピックで走らせて0になっているか見ます。
このピックの走らせ方法は、ピックの針の向きを微調整しないと上手に見れません。
ワークを置く
ワークを平行台に置きます。
ワークは一面削ってある面を平行台に当てます。
ワーク上面を対角で指で押してみます。
その時にガタガタしたらゴミが入っています。またはワークの平面度が悪い
ワークの平面度が悪い時は、再度ワークを削る必要がありますね。
ワーク固定の力加減
バイスハンドルをどれくらい回せばいいのかは場合と状況によりけりになります。
大きく分けると油圧が効いてから鉄の荒加工ならハンドルが止まるまで回ります。(約2周半)
仕上げ加工ならハンドルを回して1周。
アルミの場合もあるので、ちょいと図にしてみますね。参考に。
鉄 | アルミ | |
荒加工 | 最後までしっかり | 1周 |
仕上げ | 1周~1/4周 | 1/4周~当てるだけ |
仕上げ薄板 | 1/4周 | 当てるだけ |
薄板は強く締めると変形するので、軽く締めます。
アルミを強く締めるとキズになり変形もするので、軽く締めます。
ラフィングエンドミルや高送りをする荒加工は負荷が大きいので、強く締めて動かないようにしっかり固定します。
ワーク形状やワーク掴み量により実際やってみないと分からないので、おおよそですが、経験値ですね。
プラスチックハンマーで叩く
平行台に密着させる為にプラスチックハンマーで叩きます。
バイスを強く締めた時は、プラスチックハンマーで強く叩きます。
弱い時は、軽く叩いて、平行台を効かせて指で押しても動かないようにします。
どんなに叩いても平行台が効かない時は、ゴミの可能性だったり、直角度が悪かったりです。
ゴミなら再度、掃除をし直して段取りしますが、直角度の悪さであれば、再度、口金に当たる所を削り直すか、紙テープをバイス可動側に当たる面の上面か下面に貼り付けてバイスを締めてハンマーで叩きます。
表裏関係なければ反転させてセットしてみてもいいですね。
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